どーにも医者に処方してもらった薬の性かすこぶるだるいので、いっそだらっと自堕落に過ごしてみることにした。
昼間の街の音というのはそれなりに好きだ。空を横切るヘリコプターやジェット機の音や風が運んでくる隣家の人の嬌声、遠くで鳴り響く回遊商店(よーするに竿竹屋とか豆腐屋とか)のスピーカーの音声。生活音に満ちているのを寝転がりながら聞くのって好きだよ。
島だとこの音が波の音とサトウキビの葉ずれの音に変化する。
午後はそんな風に街の音を聞きながらプルーストの主人公みたいに寝所でだらっと過ごしてみた。たれぱんだくらいだらっとしているよ。

夕方は両親が帰ってきたので足りない食材を買出しに出かける。で、スイカを丸ごとお持ち帰りしたのであるよ。安かったからね。夏はやっぱりスイカでしょ。
土用も済んで梅雨も明け、本格的な夏のわりにはまだ涼しいけど、西瓜が旨い季節がやってきたのはナニより至福である。
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上記のごとくだらっとしているときはおフランスだなと、ゾラを読むつもりがなんとなくモーパッサンを読み始めてしまった。なんだか基本だな。貴族に倫理の悩みにこの世的なものへのひねくれたような皮肉というやうな由緒正しいおフランス文学だな。もちょっとひねくれたのが読みたい気もする。
その点『楡家の人々』ってのは名作だなぁ。なんとなく。

今となってはモーパッサンも陳腐な気がする。そういや「楡家の人々」で思い出したけど、トーマス・マンの「ブッテンブローク家の人々」って読んだことないんでこの際読んでみようかな。家に転がっていたらだけど。ただフランス人の意地悪さのほうが体調に合うんだよなぁ。
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仕事で新潟におでかけるつもりが、延びて、延びきってしまった。8月半ばだと。
新幹線が混むじゃないか。いやだなぁ。