ワーキングプア

いつも読ませて頂いてるクリスチナさんやeireneさんが「ワーキング・プア」について取り上げていらした。
格差社会の実像ってな番組をNHKでやったらしい。
○かとりっくせいかつ。
http://d.hatena.ne.jp/Christina/20060724
格差社会について

○eirene
http://d.hatena.ne.jp/eirene/20060725/p1
■[思想]NHKスペシャルワーキングプアの感想


はてなポインツを恵んでもらうようなプアでパラサイトで下流なわたくし的には気になる番組ですが、うっかり見そびれました。替わりに鬱の番組を見てしまいました。


お二人の、或いはご紹介くださっているリンク先のブログ等を読んで、うむむむむ。と。なんせビンボーを開き直って愉しむなんてディケンズなんぞ読んでいましたが、「世紀末のビクトリア朝末期ってひでぇのな。」などと客観的に言ってる場合ではない方々が実は増えている。それはなんとなく周りを見渡しても実感していることですが、一部の資産家、使い捨てな不安な状況におかれた人々、更に、既に餓死寸前みたいな、公営住宅での孤独死、或いはホームレスの増加、等々、プア社会を構成する人々という、様々な人々。現代日本における階層世界ってのは実はあるかもなぁ。などとは思いますね。


私の場合、「画家」というとにかく貧乏を絵に描いたような仕事だからしょうがないけど、そうじゃなく例えば子供二人抱えて派遣でなんとか食いつないでいる友人もいます。奥様も生活を支える為にパートで働いてはいますが、彼らの暮らしを見ているとけして贅沢はしていません。しかし彼が病で倒れれば子供達は困るでしょう。たぶんすごい不安になることもあると思う。こういう人達がせめて不安感に襲われない程度の社会になってほしい。と願うのはおかしいことか?当然だと思うんだけど。


どんなに困窮していても、税金、保険は払わないといけないし、さらに必要最低限の生活物価が高い。家賃が高い。そのくせ消費税なんかはあるので更に苦しい。


けれど目を転じれば銀座に行くとなんだかネイルサロンやらが繁盛してるわ、メジャーな名前のブランドやさんに客が沢山入ってるわ、でかいテレビジョンを売ってるわ、お前らどうしてそんなに金があるんだ?的な世界が広がっている。私には縁がないんで見るだけである。ぱそぱそが逝かれそうなのに買いなおす金すらねぇ。美容院も高いんでもう数年間ほとんど行っていない。まぁ行かなくてもいいヘアスタイルにしたもんで余り困ってないですし、買い物もさほど好きじゃないし島じゃお洒落よりも涼しい&洗濯が楽が優先されるんで衣料も困らないけど、パソだけは困るな。アップルショップだけは目に毒だった。


さてこういう現象ってなんで起きたのか?というのは経済脳のない私にはよくわからないんだけど、欧州なんかはグローバル化ってヤツか?移民が増えて少ないパイを取り合う状況。移民の増加に伴って生活保護が増えているんだろう。EUというのはそういうのを目指していたんだから仕方ない。格差のある社会の統合は豊かなほうの生活を圧迫することで成立するんだろうけど、それでも一部の資産家は寧ろ豊かになったりするわけで。不公平感というのがでざるを得ないだろうね。スコトゥスの八木先生が「先進諸国の人間達が生活水準を落とせば第三世界との格差はなくなるんだよ」と言っていたのを思い出す。

日本の場合も高齢者の増加に伴う財政破綻に加え、バブルのツケによる企業への資金とか、お隣の国への以上な数値のODAとか、国家レベルでは金がかかりすぎることが多すぎて、庶民レベルへの目配りがないどころか、逆に生活を圧迫している方向に行こうとしているみたいで。


なんかね。ディケンズの描くビクトリア朝の時代は暗黒世界というけれど現代も全然脱皮していない。「贅沢しなきゃ暮らせる」なんてもんじゃない。そういう「暮らす」こと自体が成立しないかもしれないぎりぎりで生きている人が沢山いると思う。


そういえば島の役所に勤めている島友人の話では「俺の給料は安くてとても生活していけるほどはもらえない。だから結婚できないよ。」と言っていた。子供を育てようにも先立つものがなさ杉。けれど「生活保護を受けている人は、自分の倍もらっているんだよね」とぼやいていた。離島は給料は安いうえに物価が高いので実は辛い。(家賃は安いけど)


公平ってほんとはなんだろう?と思うな。
日本は豊かだと言うが、それはぎりぎりの庶民の犠牲のうえに成り立っているんなら、ほんとに豊かなんだろうか。