他者のために

本年最後の締めくくりは、以前に書きかけの待降節を迎えるルカ福音書のあの個所からルネッサンス美術についてとか書こうと思ったんですが、くじけ。
そういうわけで昨日の「救世軍」ネタ。
年末となると現れるキリスト看板キリスト教街頭車にならび歳末の風物詩「社会鍋」それを地味に昔っから行ってきた救世軍。うちの母の世代ともなるとボランティアの為に、人のためになるような供出品などは「救世軍に持ってゆく」という動詞で成り立っていたりするようにポピュラーな存在でした。しかし現代は多くのNGO活動も増えましたんで、だんだん目立たなくなってきたようです。しかも募金詐欺やらホワイトバンドみたいなわけの判らんイデオロギー活動などのせいでこうした善意の方の活動までもが怪しからんと、昨今は献金なども減ってきてしまったようです。
しかし深刻な震災などでの反応にみられる通り多くの日本人が冷たいわけではない。寧ろ多くの人は何か役に立ちたい。しかしそうした機関がイデオロギーまみれだったり、怪しい団体の収入に使われたりと、多くの人々が不審感を持たざるを得ず、まだまだ純粋な奉仕精神の反映を行うには土壌として未発達な状況にあるようです。善意を食い物にするような思想家や詐欺師は赦せんでございます。
スマトラ津波の時、日本政府は多額の資金援助を申し出、世界的に見てもかなりの規模でしたが、民間レベルとなるとかなりしょぼい。アメリカ様などはこういう時民間の反応が素早くまた多くの資金が動く。税金を投入せずとも自主的な数字がものすごくなる。こういうところは偉いなどと思います。日本人の場合、やはり受け入れ、活動機関が少ないとか、企業がそういうことを率先してやらないとか、有名人がそういうことに無関心に見えるとか、まぁ色々ありますね。それぞれにはそれなりの理由もあるのでしょうが、お上に頼る的な日本人の性格などもあるかもしれません。
で、本日、大晦日のラストに相応しくしんみりした話をとりかごさんのところで採集。
渡辺はま子という素晴らしい女性歌手がいたという話です。

奇跡の慰安歌手 渡辺はま子の物語
http://d.hatena.ne.jp/torix/20051231

↑まずはtoriさんのエントリを読んで下さいです。本も出ているみたいです↓

モンテンルパの夜はふけて ~気骨の女・渡辺はま子の生涯

モンテンルパの夜はふけて ~気骨の女・渡辺はま子の生涯

こんな気骨のある女性がいたんですね。他者のために働くという、ただそれだけのことを貫いた女性ですがなかなか出来ることではないです。またこの件で奔走した和尚さんもなかなかの人物ですね。
わたくし結構浪花節な人間なもんでこういう話には弱いですよ。