パリは燃えているか?

おフランスでは暴動がすごいらしい。
ま・ここっとさんのブログに詳細が。
http://malicieuse.exblog.jp/3724621/
今月末に行くんだけど不安だよ。あのまったりとしたフランスが火を見るような有様とはなぁ。隔世の感があります。
移民問題とは結局は文明の衝突也。
ラマダンの空腹からただでさえ殺気立っていたイスラム教徒の若者はラマダン明けをはさんで、祭り状態で手がつけられないようです。

パリ郊外の暴動、8夜連続…発生以来最悪の事態に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051104-00000516-yom-int&kz=int
 【パリ=島崎雅夫】失業増への不満などを理由に、パリ郊外で起きている
若者の暴動は、3日夜から4日未明にかけて8夜連続で続き、乗用車約500
台が焼き打ちされるなど発生以来最悪になった。

暴動は初めて、南仏マルセイユなどの移民居住地域に飛び火した。

 移民との融和を軽視し、犯罪撲滅のため移民弾圧を過度に強化した仏政府の
同化政策の失敗が、暴動の背景となっている。

 パリ北東郊外のセーヌ・サンドニ県のヌーイ・シュール・マルヌ市。3日深夜、
数百人の若者が市中心部に集結し、路上に駐車中の乗用車や商店街に火を放った。
黒煙を上げて次々と炎上する乗用車や商店街、公共施設。若者は石や商品を約
1300人の警官隊に投げつけて衝突、「2級市民」とされてきた不満を一気に
爆発させた。

日本では上記のように差別待遇がどうたらなどという報道のされ方だが、ま・ここっとさんからの報告を読むと、実際にはフランスの重税と移民の優遇政策にあえいでいるのは当のフランス人。真面目なフランス人は高い税金を払い、移民は優遇政策により生活保護で暮らしている。実際に住んでいる人が見た光景はおよそ「差別に苦しむ移民」というのもからはかけ離れているようだ。
また、融和政策を採ろうにも、イスラムの慣習を曲げないこれら移民の方々はフランスの法に従わない。自分たちの方法論を貫こうとするなど、寧ろ移民の側が融和を拒絶しているらしい。イスラムはそもそもがイスラム法がすべての法であり、国家の法は無視される。中国の奥地などで起きている問題もこのような文化衝突があり、コトを難しくしているようだ。例えば人口増加対策。中国に於いては一人っ子政策を採っているが、少数民族たるイスラムの人々などには適用されない。3人までオッケーとなるのだが、実際には産児制限はしない。イスラムの戒律が優先されるからだ。これを巡って深刻な対立が起きている。
中国の場合はそもそもが勝手に中国傘下にされてしまった為に自由意志でそうなったわけでもない。だから彼らも独立したがっているわけで、まぁ、独立した方がいいよなどと思うが、フランスの場合は、アフリカなどからの移民であり、独立するとかそういう問題ではない。要するに自ら望んできた移民である。他国に自分の意思で来たならその国のルールに従うのが当然なはずだが彼らには通用しない。しかもフランスの手厚い優遇政策が仇となり深刻化しつつある。低賃金への不満、失業とかそういう以前に、フランス人自身もインフレや失業に苦しめられているわけなのだが。しかし移民にとってはそれでも本国よりましな所だからこそやってくるわけで。門戸が開かれていれば当然移住したいだろう。
日本の報道はこうしたニュースを差別問題と書く背景には、やはり移民政策を導入するかしないかの問題が我々の国にもあるわけで、こうした実態はなるべく流したくないのかもしれない。扱いそのものもあまりにも小さい。
しかし、こんなことになってフランス人は移民への憎しみを募らせるだろうし、ネオナチみたいなのがどんどん出来たらそれこそ大変なことになると思う。どこかで歯止めを利かせないとまずい。だからフランス政府が今の時点で強い態度で出るのも仕方ないだろう。
EUの統合以降、ヨーロッパのあちこちが不安定になっている。格差の激しい国同士の融合というのもすごく大変だが、それに加えて移民問題。これらの問題がフランスだけではなく多くの国で見られる。治安の悪化ははなはだしい。これは行くたびに肌で感じていたりするが、ヨーロッパはこれからどうなっていくのか?
◆◆
フランスが直面した問題。移民とフランスの摩擦は、フランスの法、フランス人たちが守り続けてきた法や価値が移民という人々に通用しない場面が多いことも挙げられるようだ。様々なそうしたすれ違いが差別と感じられたり、排斥と感じられたりする場面もあるかもしれない。アメリカ史でも後から参入した移民はかなり苦労をしている。既得権を持っているものの方が有利なのは当然なのだが。いきなり来て同じように扱えというわけにもいかない多くのことがあると思う。
そして更にイスラムという価値。ま・ここっとさんのブログなどを読んでいても、これらの他者との衝突は色々な形で日常的に起きているようだ。結局、フランス人が勝ち取ったフランスの法は近代国家の曙であったのだが、今、まったく違う法体系を持つ人々を前にどうしてよいか分からない自体に直面してしまったといってもいい。歴史も文化も共有していないものが共存するとき、アメリカのようなアメリカそのものを正義を信じ、宗教的に捉えるしかないのか?(しかしそのアメリカもまた多くの内部衝突を抱えている)
せっかちで早急な要求はひずみを生む。反発が生じるのは当然だ。真の意味で同化していくには何世紀もかかるだろう。しかしあまりにもせっかちに物事を行えば逆の問題を生み出す可能性もある。今のヨーロッパは内向きの民族主義的な排他的な空気が生まれやすい状態になりつつある。
理想を行うには忍耐が必要だが、その忍耐とは遅々として進まないかのごとく見えるようなスピードで変化を行うという行う側の忍耐が最も重要なのではないか?
なんでも変えようとするせっかちな改革方法を採るのもよいが、血が流れる可能性は高い。反動から生じるまったく反対方向に向かう時期をも受け入れるしかない。極端な改革は極端に振り子が振れる。ふれながらやがて数世紀後に望む形に落ち着くのだろうが、時間が逆にかかりすぎる結果になるんじゃないかな?と思うよ。
◆◆
しかし既に9日目だという。車が焼かれたのは2000台を超えたとか、地方にまで波及が及んでいるとか、10歳の子供が火炎瓶を持っているとか、そして身体障害者の女性がバス意から逃げ遅れ火に巻き込まれたほかは、死者が大量に出たとか怪我人が大量にでたというニュースは聞こえては来ない。商店が略奪に遭ったというニュースも聞こえては来ないが現地ではどうなっているのだろう?
微妙に不思議でもあるんだが、組織的なものが背後にあるんじゃないのか?とか、とにかく状況が日本にはなかなか伝わってこないのでもどかしいですね。
サン・ドニは昔いったことがあるが確かに黒人が多かったなぁ。。。
あといきなり道端でアラブ系の人がよく尋問にあう光景はよく見たなぁ。これは今日では世界中で見られる現象で、日本でも尋問に遭うらしく、穏健なアラブの人の多くは彼ら自身もテロに怒りを覚えているし、仕方がないことだと認識はしているようだが。
◆◆
この話題に関して、枇杷さんの園丁日記でも取り上げております。

…宗教が全部決める人たちとの共存。2
http://fruitsofloquat.seesaa.net/article/9026548.html

このコメント欄にいらした方が紹介していたサイト↓

緊急報告シリーズ
中東報道研究機関
http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP99805

このパノラマ番組で特に興味をひくのが、ジャーナリストのジョン・ウェアと英ムスリム指導者達との論争である。自爆攻撃の是非、非ムスリムに関する見方をめぐる激論である…。我々のアラブ側画面には、御馴染みの顔がよく登場する。そこにあるのは、「我々は信仰を持った者であり、天国の住民である。彼等は不信仰の徒であり、地獄の住民である」というメッセージである。これが、日常口にされる言葉であり、(アラブの)放送で使用される言語で、如何なる放送も、この言語にからめとられている。しかるに、このような(自爆)行為を宣揚する者の心中には、アラビア語でアラブの放送で繰返し主張しても、世界は心にとめてくれないという不満がある。

ところが、この当の本人達が、外国のテレビに出演して英語で喋ると、アラビア語で言っていた内容とまるで違うことを言うのである。

そのため、アラビア語で論じていた時はこう言っていたではないか、と突かれると、彼等はすっかり混乱してしまい、あわてて論旨をすりかえ、或は話題を変えようと必死になる。パノラマの特別番組で、これがすっかり露呈してしまった。

アラビア語で喋っている分には本音は外に洩れないと思っているだろうが、そうは問屋がおろさない。世界はしっかり見張っているのである。欧米の組織で、あらゆる形態のアラブメディアをモニターして、それを翻訳している専門機関がある。番組の大半は録画され、一般に提供されている。従って、ムスリムの聖職者がアラブの放送で、「ユダヤ人は猿と豚のあいの子」などと言うと、その言葉は世界中何百万という(非アラブ、非イスラムの)人々に届くのである。そして(他者を侮辱する)過激な人間観のおかげで、欧米に住むムスリム、アラブ移民とその子弟は、代償を払う破目に陥る。

アラビア語番組で異教徒は地獄の住人などと話しているようです。
イスラムの人々が世界の人々とうまくやるには、イスラムの人々自身も他文化に対する理解を深めないといけないわけですが、こんなアジを内向きでは飛ばしているようでは。
ま・ここっとさんのブログにユダヤ人の墓に対するアラブの人々の狼藉が沢山出ていましたが、こういう光景の背景にはそのような思想があるのかもしれません。

ま・ここっとさんのブログ

Tant Pis!Tant Mieux!そりゃよござんした
http://malicieuse.exblog.jp/3734002/

ユダヤの方々のお墓が無残な状態となった光景が映っております。
日本人の感覚からするととても理解できません。