孤独死というドキュメンタリー

なんとなく、NHKを点けていたら「ひとり団地の一室で」というドキュメンタリーをやっていた。上記のごとく潜在的失業者であり、尚且つ独り者の私には他人事でないお話である。

http://www.nhk.or.jp/special/libraly/05/l0009/l0924.html
いま、全国各地の団地では、誰にも看取られずに亡くなる、いわゆる"孤独死"が
相次いでいる。常盤平団地でもこの3年間で21人が孤独死した。その半数が
40代、50代そして60代前半までの比較的若い世代の男性だった。社会や
家族とのつながりを失った人たちが、老後を迎える前に、亡くなっているのだ。

老人ではなく中高年の孤独死が増えているそうだ。その多くは、倒産による失業、リストラされた、或いは病気に倒れた、離婚した独身男性だそうだ。何故か女性の数は少ない。番組に出てきた男性は、倒産を機会に離婚。、病に倒れたことを機会に離婚、子供は母親についたので、男性がひとり残されてしまったという按配。う〜ん、なんでそんな不幸を機会に離婚しちゃうんだ?支えあうのが筋だろうが。といいたくもなるが理由は千差万別だろうし、それについて憶測だけではなにもいえない。ただ番組に出てきた男性はあきらかに鬱の状態だ。何をする気力も起きずからだの変調を訴えている。掃除が出来ない男性も出てきた。ゴミの中で暮らしている。
ボランティアの女性が定期的に掃除に行って、尚且つ慰めているんだが・・この光景は最近のうちの父親を励ます母の姿に重なる。男性は精神的に激しく脆い。女性のようにうまく立ち回ることが出来ない人の数は男性のほうが多い気がする。おばさん化して開き直ればいいところを内に篭ってしまう。ナニもしない。やりたいことが見つからない。まさに我が父もその危機のさなかにあるが、少なくとも彼には家族がいる。
しかし、独身男性にはそういう存在もなく孤立化するだけだ。
ただ、翻れば、私自身、両親がいなくなれば同じ立場である。そのときこんなことを言っていられるのかどうか自信はない。一人で暮らすというのはなんとなく生活に張り合いがないことは以前も体験している。
以前、結婚したいと願った人を亡くしたとき、吉祥寺の町をさまよい、ふと目に付いた手相見に手相を見てもらったことがある。強気なときは占いなどあまり信じないわたくしではあるのでおよそ手相など見てもらったことはなかったのだが、そのとき「家族運はない」などといわれてしまった。#むかつく。が、今となっては当たっているのかもしれないよ。
しかし、一人で生きねばならない人など沢山いるわけで、孤独死などに向かわないようにしないといけないなぁと思いつつも、年間に何百人もが死んでいく中で、その背景に今も孤独と不安のうちに生きている多くの人がいるだろうことに、暗澹たる気持ちになった。ホームレスだけではなく、そのようにホームはあっても、家族や仲間にレスな人はこれからどんどん増えるであろう。
ここで彼らのために働くボランティアのおばさんにはつくづく頭が下がる。誰かのために働く人は輝いて見える。しかし、どん底ビンボーになるとそれを行う力すらなくなる。仕事がないというのは人の尊厳を破壊する。そして物理的にも、精神的にも。落ち込みのデフレスパイラル現象が起きてしまう。このように孤立し尊厳を破壊されてしまったような落ち込みのどん底の人を救う手立てってどういうのがいいんだろうか。単純でもいい。なにか働く場があればそれが望ましいのだろうとは思うのだが。
昨日のエントリで取り上げたま・ここっとさんが紹介した「南米の施し」の光景を思い出す。