犬と話す人

先日、島犬カナを「犬と話す」先生のところに連れて行った。
動物の自然治癒力を重んじる先生のカウンセリングを受けにいったんですが、その先生というのがソロモン王の指輪を持っているとの評判で、犬に「聞く」のである。「マジかよ?」などと思いつつも出かけました。
カナは正月に医者に見離されるほどの大病を患い、体中の毛が抜け落ち、食事も満足に一人で採れないほどの脆弱な犬に成り下がっていましたが、なんとか治療を続けてやっと身体と頭に毛が生え、いまは足先と鼻面とおなかの毛がない状態まで復活しています。気力は元気で外で遊ぶのが好きですが、ご飯に関しては未だムラがあり、食事を食べたい様子を見せてもいざ出すと食べない。一体なにを食べたいのかも分からない上に、時には食事を抜いてしまうので痩せ過ぎ。困っていました。西洋医学ではなく、本人の自然治癒力を復活させるような根本治癒が必要だと思ったのでオーガニックな治療に切り替えようと思っていたときに、犬仲間の方にその先生を紹介されたわけです。西洋医学は薬に頼りがちで不安ですし、東洋医学やドイツの医学の発想なら安心できると思ったのです。そういうわけでオーガニックなドッグフードを扱っているお店を経営しているその先生のところに行ってみました。

・・・・・・・・で、先生が聞いたところ、カナいわく「緑の器で食べたい。」ほんとかなぁ?と思っておりました。先生も「緑の器」は意外だったらしく「緑の器はあまりないですよねぇ」と半分申し訳なさそうに話しており、半信半疑のまま母が器を探して買ってきました。果たせるかな、それだと食欲が増すらしく、久しぶりにお代りを要求してきました。うーん。お気に入りの器があるんだ。犬にも。
カナはうちの父の身体をすごく心配しているそうで先生に「足、それも膝と左手、それと心臓に注意するように」と、話したそうです。確かにうちの父は足が弱っていて、足元があぶなかしく、この間も階段から落ち、カナがびっくりしてみていました。また散歩に行くと父の足もとをじっと不安そうに見つめています。先生には「おじいちゃんと呼ばれる、青い格子の服を着た人」と伝わっているらしく、確かにいつも青い格子のパジャマを着て家の中をうろうろしています。カナはどうやら父に仕える犬だそうで、いつも父を心配しているそうです。そういえば朝の散歩はいつも父ですし、一番カナと時間を過ごしているのは家にいる父なんですね。カナとしては父と与論で過ごした時間が好きな光景だったようです。「海を見ながら朝食(トースト)を採る父の姿が一番よい」と思っているらしい。
以上の話はわたくしが相手にいっさいナニも伝えていないのにカナの口から聞いて先生が我々に語ってくれたことで少し驚きました。どうもカナは映像で情報を伝えているようですね。面白いです。このように動物に聞く技というのは古代の呪術などにみられるものですが、そういう才能を持っている方がいるというのは面白いです。ソロモン王もこのように動物とあれこれ話したんでしょうか?