聖バレンタイン

今日はバレンタインという日だったらしいよ。巷ではチョコレートという鼻血が噴出す劇薬が飛び交っていたらしいが、展覧会で忙しい私には関係がない。そもそも、このあやしからんブツは子供の頃には当然、親から「頭を馬鹿にしてしまう危険物質」として近づかないように厳命されていた。たしかにこっそりとハーシーという板状のでかい物質を全て摂取した日には次の日、顔やら背中に吹き出物やらなんらですごいことになるのでやはりお子様にはかなり劇薬な気はする。バレンタインの日に父宛に知らない女性からこれが届こうものなら家庭が崩壊するような起爆剤でもあります。ああこわい。
・・・・というわけで、子供の頃には厳禁だったチョコレート。解禁と共に反動でやたら食べるようになり今では実は中毒である。カカオな薬中。特に好きなのはスイスの三角のとベルギーのコートドールというのと、アメリカのハーシーの板チョコ。毛唐のジャンクなのが好きだ。ゴディバとかおされなのは邪道。
で、聖バレンタイン・デイ。聖バレンタインの祝日なわけなんですが、とってもマイナーな聖人で、あまり省みられていない下っ端の聖人である。ローマ時代のペルシア人(一説によるとアイルランド人というのもある)で、殉教したというぐらいの記録しかない。カトリックギョーカイではほとんどどーでもいい聖人なのに、何故か巷では聖ニコラウス(サンタクロース)と並んで有名である。どちらもキーワードは色恋沙汰だ。現代人ってほんとに色恋沙汰が好きなのな。脊髄で色恋するのが最もすばらしいと思い込んでいるスタンダール顔負け。だから告白したりおでぃとをしなければならないと思って自分たちを追い詰める。うまくいかないと孤独になったりする。どうでもいいようなこんなことにかかわずらって、ストレス作り出してどうするよ?
・・・というわけで、糞カトリックなわたくしはこの習慣は実はどうでもいいことだったので過去に3つほどしか殿方にあげたことがない。40数年生きて3つ。「40日間荒野をさまよう」とか「三位一体」とかキリスト教的にも縁起がいい。もらった方は宝くじが当たったようなもんだな。ありがたく思えよ。
そもそもが死ぬほどチョコ好きのわたくしが、なんでたいして甘いものが好きでもなさそうな殿方にチョコレートなんぞあげにゃいかんのか?しかもお返しが飴玉?いらねーよ。