死者の書を巡るあれこれ
本日のこれ↓
◆一日一チベットリンク運動/Eyes on Tibet
チベットというと、そういえば昔『チベットのモーツァルト』という本を中沢新一さんが書いていました。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04/10
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中沢さんに話を戻すと、現代思想とチベット仏教という、仏教の源流の邂逅みたいなそんなことをこれで書いたらしいんですが、読んでいないので判りません。先日紹介したNHKの『死者の書』は結局60年代的ニューエイジ的なにほひがどうも苦手でやめたんだなと思い出しました。西欧のヒッピーがインドを目指したように、中沢はチベットを目指したのかその辺りは判らんのですが、同じ頃、麻原彰晃もチベット的なるものを取り入れようとしていたようですが、そういう関連もあってか、中沢と接近し、中沢新一がそれ絡みでしばらくバッシングを受けていたという、気の毒な過去がありましたね。この時山口昌男がかなり中沢に同情していたのを思い出します。
結局、今に到るまで中沢新一の本はちゃんと読んだことがなかったのを思い出したわけですが、最近になって『アースダイバー』なるものを読んで、なんというか荒俣宏の方が面白いと思ってしまったのですよ。もうしわけないが。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 講談社
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東京のほとんどが海だったよ地図とか霊的スポットヲチとか面白い要素はあるんですが、なんかこじつけ臭いというか、それムー的過ぎ。なのもあったりするので、読んでいて苦痛になる個所もあったのでした。
で、なんで中沢新一の話をしているかというと、例のNHKのチベットの『死者の書』は中沢新一も絡んでいて、彼もまた1993年に『チベットの死者の書』の本を書いてるんですよね。
これ↓
- 作者: 中沢新一
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今、改めて読み返して、自分自身の死生観とは異るがしかしあの世への概念と真正面から向き合う宗教伝統のその彩りは美しいといいますか、つまり、宗教的なるものは、土地に記憶されるようなものであり、無意識の日常や慣習の中に生きるものであるので、人工的にどうにか出来るものでもなく、受動的な行為だと思うのです。人間に内財する自然にあるというか。それが表象では様々な伝統宗教の形をとっているとしても、そういう恩寵的なもんではなかろうかと思うのです。んで、中沢新一の『アースダイバー』にしてもそういう感覚によって書かれたモノだろうなと。
ゆえにこれらが自然と息づく文明の一つがなにやら圧力をかけられ危機に瀕してるってのは悲しいと。まぁそんなことを思ったりします。
たくましいものならばそれはこの先も人々の間で継承されてはいくと思いますが、象徴としてのラサの土地の記憶が塗り替えられていく光景というのはやはり心が痛むなと、本日徒然にそんなことを思っておりました。庭の芝刈りながら。