スタンダール

スタンダールを読んでいる。「パルムの僧院
主人公ファブリスは公爵家かなんかのぼんぼんでナニも考えておらず、ただひたすら自分がよいと思ったことに猪突猛進する馬鹿だ。この小説はいつもこの主人公の馬鹿さかげんに嫌気がさして途中で読むのをやめてしまっていたのだけど、今回はなんと上巻をとりあえず全部読み終わった。自分的には記録的なことだ。主人公には相変わらずむかつくが、この時代のイタリアの置かれた微妙な立ち位置とか、スタンダールの触れた世界の中の常識の変さ加減を楽しむ余裕が出来たからなんだと思う。
赤と黒」も似たような猪突猛進馬鹿主人公だが、ジュリアン・ソレルにはあまりむかつきを感じないのはその庶民的な野心がまだ理解できるからだろうな。なんというか一応考えている感じがするんですよね。しかしパルムのファブリスは脳みそがあるとは思えんのでいちいちいらいらするのです。