民主の政策は地方切り捨てに拍車をかけるか?

ええと、絵描かなきゃならないんですが、どうも夏風邪っぽくて熱があって集中力がない。Σ(゚Д゚)新型インフル?!

まぁそれはさておき、こんな記事が産経さんに。

▼ブロードバンド・ゼロ地域解消計画に黄信号 民主の予算執行停止で
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090911/biz0909112201018-n1.htm
民主党が今年度補正予算の一部執行停止を決めたことで、平成22年度中の実現を目指していた政府の「ブロードバンド(高速大容量)・ゼロ地域解消計画」の実現に、黄信号がともり始めた。

 離島や山間部を含むすべての地域で、ブロードバンド通信を利用可能にするため、総額約2200億円を投じて自治体の光ファイバー回線の敷設工事を促進する計画だったが、34万世帯への敷設が宙に浮く可能性がある。

 計画は、過疎地や離島など人口が少なく採算が取れない地域では、民間の通信事業者は光ファイバー敷設に消極的なため、政府の交付金を活用して市町村が整備費用を負担する。そして、設備を借りることになる通信事業者が使用料を市町村に支払い、住民にインターネット接続サービスなどを提供する。

 計画の対象は神奈川、富山、三重の3県を除く全国の約34万世帯に上り、政府は平成18年1月の「IT新改革戦略」でゼロ地域解消を打ち出し、補正予算での計画達成を目指していた。

 総務省などは自治体に対し、「予算を内示したが交付はしていない」(情報流通行政局)段階だ。多くの自治体は「計画通り執行されることを前提に準備」を進めており、「予算化されないと工事ができなくなる」(北海道利尻町)と動揺が広がる。

 総務省は予算確保に自信を示すが、未執行分の再分配の行方は霧の中だ。

民主嫌いな産経さんなんでまぁちょっと割り引いて読んだ方がいい気はするんですが、色々心当たりがあるんで。

我が島はたいへんに離島である。九州のはじっこ。鹿児島の最南端。なので色々とインフラが脆弱であるが、通信関係も脆弱である。

昨今のサイトときたら、やたら動画をふんだんに使い、ニュースでも個人ブログでもぺたぺたと広告フラッシュが踊っている。大変に重い。我が島の通信環境は最大がADSL。役場だけが光である。個人ではADSLで繋がってるんで、兎に角、最近ネット弱者になりつつある。重いサイトを表示するとフリーズすることが多い。氏ね。ようつべでこんな動画あると紹介されても半分ぐらいで止まるか、コマ落としになっちゃうか、フリーズする。氏ね。ストリーミング放送を見よと勧められても困る。フリーズしてしまうのだ。氏ね。

とにかくネット環境の困った事態にたびたび脳内で「NTT氏ね」などと怒っていた。NTTは民営化されたので採算の取れないうちの島なんて無視したいのだ。私が社長なら再三採れないのは切り捨てる。それが民営化される事の現実なのだな。

実はこのADSLを引く段階でNTTに激怒した過去がある。
ADSL回線を引くと言う工事が告知されたので、おお!申し込まねばと申し込んだら、「すでに予約者が限界を越えたので募集閉め切りました」と言っていた。「えー?じゃぁ次の増設工事はいつになりますか?それまで待ちますんで」と言ったら「その予定はない」という。つまり、工事はこれからであり、そして申し込み希望者がまだ沢山いるにも関わらず、その数も把握せず、NTT側で「こんな離島、これぐらいの人数でいいだろ?」と決めちゃってるんである。しかもサイトには「離島でもADSLが使えます!」なんて宣伝してるんだな。

宣伝しているにも関わらず実態はそのサービスを受けることが出来ない。その理由は何故だ?!と聞いたら「離島ですから」という返事であった。
ここでぶち切れた。採算が合わないとか言ってくれたほうが、まだ納得したぞ。

この「離島だから」で、すべてを納得させられてきたのがうちの島の人々である。
どんな不便で理不尽としか思えない事でも「離島だから」と諦めがちにいう。それは、島人のただの自嘲だと思っていたんだが、島外の行政やサービスの人々がそのような理由を口にして納得させてきたんである。

この件に関しては「加入者に対する工事費等を鑑みて、採算がとれない」という説明なら、うーむ大変っすなで引き下がるが・・・
「離島だから」などと、ナニを言ってるんだ?このNTTは?!
それに広告偽りありでいいのか?!NTT!!!「離島でも出来る」などと偉そうに言うな!

大変にわたくしが怒ってしまったので、この時は何故かADSLが速やかに通ってしまった。容量を増やしたらしい。出来るのにやらないことに又むかついた。だが通してくれたのでNTTさんには感謝しておおいに利用していますよ。


でだ、今度もまた、役所が率先し、NTTと協力して、「光を島内に通すじょ」キャンペーンをやっていた。
二年ぐらい前から光が来ると言っていて、一年前からは具体的な話なった。そして今年、町役場からのお知らせで「今、申し込めば、家までの工事が無料になります!」という鳴り物入りで、島内のネトユーザーはこぞって申し込んだものじゃった。私も仕事で使うし、画像やり取りが多いんで容量のでかいのが必要になってきていた。NTT西日本のキャンペーンでも「今なら家までの工事費も無料!!!」などと美味しいお誘い。なんという有難いこっちゃ。


それが何故かこの夏「家までの工事費は負担になるかもしれない」という話に変わっていたのだ。


何故だ?


役所に聞いたら、
NTT西日本のキャンペーンは9月末日までなんです。で、うちの島の光通信の公的部分の敷設工事が終了するのは10月なんで、正式な申し込み手続きはそれからになるんでキャンペーン対象外なんです。」

・・だそうだ。え?
もう二年前くらいからやるやると言っていて工事はじめたのはごく最近。NTTはうちの島で工事するの遅すぎやしないか?「無料」という餌だけつるして申し込ませて、工事終了は10月になっちゃうんで無料はなしです・・って、なにそれ?詐欺や。それじゃぁ確信犯的に詐欺じゃないか。
しかし「かもしれない」とはずいぶんあやふやな。役所がNTTと交渉中なんすかね?

・・・と思っていたんだが、ここにきて上記の記事で納得した。

民営の会社であるNTTははじめから採算が取れない離島なんぞのインフラに対してはやる気はなく、その無料サービスの予算は国家事業だったんですな。そのはしごが外されそうなので、無料サービスがなくなるかもしれないということだな。

この記事に対して、2ちゃんねらーさんとかは、離島なんぞにそんなサービスいらねーだろとか、ADSLで充分とか、ケータイ使えとか色々あった。散人先生も過疎に済むなら自己責任と言いそうな。しくしくしく。

だが、そのケータイの電波も弱い。iphonなにそれ?だし、それ以外の通信も脆弱。台風が来るとラジオすらまともに入らなくなる。

実は以前、島を襲った強力な台風の時、もっとも役に立ったのが充電しといたノートパソコンだった。テレビも停電で見られなくなるのだな。しかしNTTは偉かった。ちゃんと線が通じていた。その次の年の台風ではNTTの電線がすっ飛んで、ネット環境が死んだけどね。

この島でもっとも役に立つのはインターネットである。ラジオもテレビも役立たずなんでネット情報が一番利用価値がある。ロクな店が無いので島民達は通販を利用している。生活でネットを利用する機会は非常に多い。

更に、パソ関係の仕事をしていたり会社をおこしている人もいる。通信環境さえあれば島の若い人は島外に出て行かなくて済む。この土地で起業し、地方自治体の税収に貢献出来、最終的にはこんな離島でも自立経済が成立する。

公共事業で護岸工事とかハコモノ造るよりずっと有益な公共事業である。

大容量化するインターネット世界で、今はそれでもなんとかなってはいるが、いずれは取り残され、情報インフラ弱者になったら、ここではネットを用いた仕事は出来なくなる。

これを切り捨てられたらますます島から若いのが出ていき、島はいずれ過疎化する。

今回はそれでもまぁ、公道への光通信回線が来たんだから、「家までの工事費ぐらいは自分で出せよ」と言われても、それが税金で援助されているなら、そもそもが変な不公平でもあり、しゃあないだろうともと思うけど、(NTTは勘違いするような広告するなとは思うが)今後、通信世界がどんどん加速度つけていくことになった時、切り捨てられる危険があるかもしれない。・・・と、いささか_| ̄|○となった。

地方の自立、地方が自力で経済を建て直すためのインフラとして、切実に必要なものというものもある。正直地デジなんぞより欲しいんだがな、うまくいかんもんだのう。しくしくしく。

民主党が言う痛みを伴う改革は、かくして地方のあちこちでドキドキさせている模様。

やっぱ「離島だから」で諦めにゃいかんのかにょ。島人のあの、ストイックな域に達しているともいえる諦めのよさが実はこういう事の積み重ねだと思うと哀しい。


そういうわけで相変わらず、YouTubeとか、ストリーミング放送とか、やたらflashが大量にあるサイトとか見れないかもしれないんで、紹介しないでくださいです。見れなくて泣く。