ベヘリットも血を流す日蝕まであと数日 色々悩ましい問題があるようだ

本日もトロピカル。すっかり暑い。
とはいえ、梅雨の湿気も抜け、カラっとしているので木陰でだらりとするにはいい感じではある。

何故か先程、庭に観光客が入り込んできた。道に迷って私道に入り込んでしまったようだ。ついでにうちの庭から見える海を見ようってなったようだが、吃驚した。まぁ海は島の公共財産だし、せっかく遠方からいらした方を無下にするのもよろしくない、どぞどぞとおもてなしをしてみた。
これから観光客が頻繁に訪れる時期が来る。島も忙しくなる。

日蝕に1週間を切った。
奄美、やトカラ、屋久島では準備に大忙しだろうと思う。
うちの島は奄美群島といってもはしっくれで皆既日蝕帯からははずれている。日蝕帯の中心の悪石島から鹿児島市とほぼ同じ距離。ゆえに鹿児島市と同じ条件で、96%ぐらい欠ける。ただし欠けはじめる時間は少しばかり早い。9時30分頃からはじまり、10時50分で最大の欠けになりそうだ。
この時期多くの人は奄美やトカラ、屋久島などを目指すのだろうが、皆既日蝕を見られなくてもいいやってな感じでうちの島に来る人なんかもいるだろう。あるいはそちらで過ごしたあとうちの島に寄る人もいるかもしれない。結構ホテルや民宿も埋まっているらしい。
わたしもアマンの手伝いに入らないといけないかも。

ところでこんなニュースが↓

▼悩ましい快進撃 鹿児島・喜界高、勝ったら島に帰れない - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0715/SEB200907150013.html

全国高校野球選手権鹿児島大会で、ベスト16に駒を進めた離島の学校、喜界(生徒213人)が頭を悩ませている。8強をかけた16日の試合に勝つと、帰りの船や飛行機の便がなくなる。22日の皆既日食を見るため、島へ渡る便は観測者の予約ですでに満杯。「全校応援」の見合わせも考え始めた。

 喜界島は鹿児島県・奄美大島の東にある。県本土からは約400キロ離れており、交通手段は飛行機かフェリー。フェリーだと約12時間かかる。
 島では全域で皆既日食を見られるため、鹿児島から喜界島に渡る空の便や船便は18日以降、満員になっている。準々決勝が予定されているのは18日だ。部員30人だけでなく、応援で来ている保護者も帰れない可能性がある。

 昨年は準々決勝まで勝ち上がり、島の快挙に、応援を希望した生徒約100人と保護者がスタンドに駆けつけた。今年も同じように、8強に進出すれば応援に行くつもりだった。

 しかし、今年は日食がある。昨年は船をチャーターして島に帰ったが、今年は日食観測客用にすでに臨時便が出ており、「新たな増便は難しい」とフェリーの運航会社。席に余裕が出るのは22日夕に鹿児島市を出港する便で、18日に「全校応援」に出発すれば22日以降に帰ることを覚悟しなければならない。滞在費もばかにならない。

 特に野球部員の保護者にはきつい。部員らは体調のことも考え、試合3日前の3日夜に島を出発してから島には帰っておらず、14日に勝利したことで宿泊は12泊が確定。滞在費は原則、自己負担なので、長期滞在に備えて事前に島でアルバイトをした球児もいるという。

 選手らと一緒に鹿児島市に滞在する保護者会長の岩田英敏さん(58)は「勝ったら勝った時のこと。選手たちは気にせず、思い切ってプレーしてほしい」と話している。(白井伸洋)

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/national/update/0715/SEB200907150013.html

はてなブクマカさん達もかわいそス。誰かなんとかしてやれと心配していたが、離島はこういう弱点がある。事前とはいえアルバイトしなきゃならない選手って・・・。ただでさえこの手の試合は必ず本土で、県単位の地方大会ですら連泊を強いられるので、すごく大変。どうにもならんのが悩ましい。鹿児島県の広さは九州全土より大きいのだ。
それに加えて今年は日蝕・・・。帰路が日蝕客共で締められ、部員達は帰ることすら出来ない。どうしてこういう時期に大会するよ?という県の決定の愚策っぷりってどうなん?。それとも日本全国一律でここって決まってる事なんかいな?喜界だけではなく徳之島も頑張って勝ち上がっていたので、彼らも悩ましかっただろう。

・・と、やきもきしていたのだが、ここまで頑張っていた喜界島と徳之島は結局負けてしまって懸念は消滅。離島仲間的には頑張って欲しかったけど、心配していたブクマカさん達には一応御報告。
こんな結果です↓
http://373news.com/_sports/373base/09/91koushien/katiagari.php

ああ、喜界島の子達も日蝕見たかったんだろうとか、バイトしなきゃならんとか、帰りが心配だとか、なんとなくハンデ有り過ぎで実力が発揮出来なかったんだろうかとかまぁ考えてしまいます。でもまぁ島んちゅの選手、逞しそうですね。

で、問題の日蝕。沢山のツアーが組まれていたんですが、トカラに関しては近畿日本ツーリストの独占だったようです。奄美では自治体が頑張っていた模様。しかしそのツアー状況はこんなだと先月ニュースに。

▼日食ツアー当て外れ、あと1カ月なのに空き 鹿児島
http://www.asahi.com/national/update/0622/SEB200906220002.html
奄美市は、皆既日食の前後に受け入れ可能な人数を大幅に上回る来島者があるとみている。市内のホテルは8割が予約で埋まり、キャンセル待ちの問い合わせも多いという。

 だが、市が旅行業者に委託して2960人を募集したツアーへの申し込みは、17日現在で約1600人にとどまる。2カ所の臨時キャンプ場に泊まるコース(定員2620人)への申し込みが伸びないのが響いている。

 市の担当者は、最長で6泊9日の過酷なテント生活になるにもかかわらず、平均で十数万円、最高で50万円かかるツアー代金がネックと分析する。「不景気が影響している」と頭を抱える。新型インフルエンザが国内で発生した5月以降は特に伸び悩んでいるという。

 皆既日食が最長の6分25秒観測できる悪石島などのトカラ列島十島村)。宿泊施設が少ないため、村はツアー以外での来島自粛を求めているが、1500人の枠のツアーにまだ1割の余裕がある。最長で10日間で、費用は最低でも34万円。世界各地の皆既日食を追いかける「日食ハンター」の申し込みは多いが、半数近くのテント暮らしの枠に空きがあるという。

一方、2〜4分観測できる屋久島では屋久島町や地元旅行業者が窓口となった3千人のツアーが2月末に完売した。宿泊施設を利用するタイプがほとんどで、町の担当者は「日食の数日前から入って、縄文杉など屋久島の自然を楽しみたいという人が多いようだ」と声を弾ませる。

 ホテル泊なら中国へのツアーも人気だ。上海では5分ほど観測できるうえ、3〜4日の日程で15万〜20万円程度。トカラ列島奄美大島へのツアーより「近くて安い」。

悪石島が制限を設けツアー会社に委託したのはそもそもがすこぶるアクセスの悪い離島であり、ちびっこで人口も少なく、観光客をそんなに受け入れる体勢がもともとない。大量の人が押しかけたら目も当てられないし、インフラ整備もたいへんだということから、そうした条件でツアー費用はかなり高い。
奄美は観光に対しそれなりの体力があるとはいえ、鹿児島からも近くアクセスも比較的良い観光大人気の屋久島、あるいは大都会の上海と比するのは酷だろう。船をチャーターしたり、この時期だけの特別な設備や機材を持ち込むのはどれくらい大変か。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/national/update/0622/SEB200906220002.html

ブクマカさんがぼったくりがわるいとか叩いているんだが、これに関してはネラーさん達の方が事情が分っているようだ。

http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51481144.html

値段の問題はチャーター便の問題、インフラの問題によるハンデや限界等が指摘されている。


奄美に関しては確かに広報の問題、トカラの影に隠れてしまった観が否めない。屋久島同様、万が一雨が降っても楽しめる自然は沢山ある。奄美の海は美しく、山も深いぞ。行った事ないけど行った事のある親はそう言っていた。屋久島よりトロピカルだし、マングローブなんかもあってよさげだぞ。
田中一村だっているし、島尾敏雄と島尾みほの世界。固有の島歴史探索も民族学的にも面白いじょ。すこぶるお勧めなんだが。

ただ、確かにツアー料金を見ると高い。入島制限を行うべくツアーにしてしまったために、中国ツアーなど同じ値段で豪華で快適な思いが出来るようなツアーに食われてしまった模様。何故このツアー値段はこうも高いんだろう?比較的高いのレベルではないのが些か謎ではある。内訳はどうなっているのか?


ただ、ツアー内容への批判、快適でもないテント生活。食事もレトルトかよ等については、島は島民の生活のインフラだけで手いっぱい。悪石島に限って言うなら年間で500人ぐらいのお客さんが来る程度の島らしいよ。だからたった一日だけの大量のお客さんを受け入れるのに豪華さや快適さを求められても困ってしまうだろう。

現地からの声も気になった。

○南の国から2009・日食
http://zenakuseki.jugem.jp/?eid=1080
■滅びゆくトカラ

悪石島移住者のブログ。現在、日食イベントのために奔走しておられる。

現在発売中の超高額ツアーから島民に還元されるのはお土産販売等の微々たる手数料。
チケット代の利益は一切島に落とされない

住民置いてきぼりの莫大な利権が動いていることで、トカラ皆既日食の高額ツアーに対する不満は高まりつつあります。


米欄にもっと具体的な話も

「サスティナビリティは皆さんの手にかかっています、ぜひ盛大に歓迎しましょう!」

っていうのが事前に住民説明会であったから。。

そしてその歓迎会、ヤギ汁300人分+セレモニー、その予算は20万です!!
さらに、その予算には島の掃除などなど含まれる…自治会に還元されるのはたったこれだけ!!
(だいたいヤギを絞めるのに奄美へヤギを送るための費用なんか含めたら人件費でないですよ!)

悪石島だけでチケット収入が1億あるのに!!
何かあったときに動くことになる、不安を抱える島民のリスクがなんでたったの0.2%なんでしょう。。

ちなみに港から上集落までのピストン車の運転や食事の配膳、トイレの汲み取りやゴミ掃除の人員も島で募集していて、その日当は7000円。

歓迎会の予算20万・・・。あらゆる人的労働費込みで・??

なんか、島人に全然還元されないらしいツアーの売り上げはどこに。
一億以上も動くこの商売はどうもツアー会社が総取りなんだろうか?そんなに船チャータ料とか機材に費用がかかるのだろうか?ちょっとその辺りの経費等がわからないのでなんとも言えないのですが。

島は本土資本に搾取されるのだ構図がここにもあるのか?よくある「島民は美味しい思いして!ずるス」という影にある「内実は本土資本がほとんど持ってっちゃうんだぞ」な全然島の役に立ってない振興政策みたいな。

うーむ、頭の中をブラックな妄想がもやもやとする話です。
島の人たちにこそ還元されて欲しいですね。

ちなみに日食ツアーではロシアの船もやって来る模様。上記ブログで紹介されていました。ルーシ号って。。。。昔ソ連行った時乗った奴じゃないか?
艦内に見覚えがあるんだけど。